お知らせ

第三回 俳句・書道コンテスト 俳句入選発表✨

 

俳句 入選発表✨

選評

鹿児島若葉代表 大川畑光詳先生

《最優秀賞》

『キャスターの胸にも今朝は赤い羽根』

皇徳寺台なごみ園様
中河 重子様

〈評〉
赤い羽根共同募金は十月一日から始まるので秋の季語です。
中河さんの作品は募金開始のスタートの朝をしっかり捉えています。テレビニュースのキャスターの胸に挿した赤い羽根は、視聴者に募金開始日であることを伝え、募金への協力を呼びかけているのです。「胸も」の「も」はさっそく募金に応じて赤い羽根を胸につけた人がいることを表しています。また「今朝は」という表現によって十月一日の朝が強調されて、真新しい赤い羽根の艶まで見えてくるようです。無駄のない言葉の選び方と構成で、赤い羽根の持つシンボル性を生かした作品だと思います。
中河さんの応募作品には他に蛍の句もあり感銘いたしました。長年俳句に親しんで来られたことが伝わってくる作品です。これからもご健吟ください。

 

《優秀賞》

『袖通すママの着物で七五三』

しあわせ通り らぶ様
山田央子様

〈評〉
七五三は十一日に祝うので冬の季語になります。娘さんの七五三の着物が母親の着たものだというのです。お下がりと言ってもそれほど着る機会もなく、大切に仕舞われていた着物です。女の七五三は一般的に三歳、七歳でしますが、この句の場合三歳でしょうか。「袖通す」にただ着るというだけでなく初めて着た意味もあるからです。愛くるしい娘さんの晴れ姿を見守る大人たちの笑顔が見えるようです。特に母親は自分と重なって感慨も深いことと思います。山田さんの御句は七五三の着物を通して、それを着る娘さんの笑顔やその子の成長を願う肉親の思いまでが感じられます。

紹介文を拝見しますと、山田さん自ら肩上げをされ曾孫さんに着付けをされたとこと。娘さん、お孫さん、曾孫さんと三代に渡って大切に引き継がれるお着物もなんと幸せなことでしょう。子を育てる母親の思いもしっかり伝えられたのだと思います。

 

《特別賞》

『神楽舞う姿りりしき童かな』

優美庵様
濵田紗知子様

〈評〉
神楽には宮中の御神楽と神社などで行う里神楽があります。紹介文によると日向神楽を御覧になったのを思い出されて詠まれたとのことなので里神楽です。宮崎の里神楽は民家の神楽宿に神を迎え、夜を徹して演じられる夜神楽が有名です。十一月中旬から翌二月上旬まで各所で行われます。冬の季語です。神楽の中には少年がものが複数あります。衣装は白笠、白衣、白袴、白足袋を着用し、素面で舞います。神に捧げる厳かな舞いです。少年のきりりとした白装束、表情も思い浮かびます。
濵田さんには日常とは違う里神楽の一シーンが鮮やかに記憶にのこっておられるのですね。かな止めの表現でそれがよく分かります。

 

《特別賞》

『カラオケの拍手鳴りやまぬ春の昼』

しあわせ通り らぶ様
山元一則様

〈評〉

カラオケを皆さんで楽しまれたのですね。なかなかの歌上手がおられたのでしょうか、拍手喝采が鳴り止まないのです。春の昼のゆったりとした空気感が作品を包んでいます。紹介文による山元さんは目がご不自由とのと。参加されたカラオケでご自分もお歌いになり、たくさんの拍手を受けられたのです。その感謝の思いを託された御句なのでしょう。
九十八歳の歌声には人を感動させる力があるのです。これからもカラオケを楽しんでお元気にお過ごしください。

 

 

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