訪問理美容きずな
第四回 俳句・書道コンテスト
俳句、入選発表✨
選.評 大川畑光詳先生 (若葉鹿児島代表)
【最優秀賞】
しあわせ通り らぶ様
『まだいけるひ孫喜ぶ読み聞かせ』
山田 央子様(九十二歲)
央子さんは昨年「袖通すママの着物で七五三」で優秀賞に輝いた実力派です。今年は川柳に挑戦されました。「ひ孫」という言葉が生きています。読み聞かせをするおばあちゃんとキラキラとした目をしてお話を追いかけている幼子の表情も目に浮かびますね。「まだいける」は央子さんの心のつぶやき。ますますお元気でお話をなさってください。
【優秀賞】
しあわせ通り らぶ様
『秋の夜に夫婦で解くなぞ難しい』
福島倬治様様(九十歲)
なぞなぞを解いて楽しまれるとは、何と素敵な秋の夜長の過ごし方でしょう。脳の老化予防にもなりますし、会話もはずむというもの。倬治さんご夫婦の仲のよさが伝わってきます。
もうすぐ春ですね。そこで問題です。「若い頃は金髪、年をとると白髪になる花は、な〜んだ?春に咲く、かわいい花です。」
【努力賞】
西谷山わかくさの郷様
『へアカット変身して若い喜び』
幸野葉子様(八十九歲)
いくつになっても髪をカットして整えるだけで気分は華やぎ、喜びがあふれてきます。ヘアカットは葉子さんにとって、変身願望を満たし、若いころの心のはなやぎをよみがえらせてくれるものなのです。五・六・七の破調のリズムにも若い頃からおしゃれを楽しまれていたモダンな心が感じられます。そしてこの作品は中川佳世さんの訪問理美容のお仕事の意義も教えてくださっているように思います。
【佳作】
小規模多機能ひばり様
『きょうだいとうれしいたのしいまりをつく』
別府登志子様(八十六歲)
俳句では「手まり」はお正月の季語です。手まり唄を歌いながらまりをついた思い出がまざまざと記憶に残っておられるのですね。「うれしい たのしい」の素直な感情表現が、まりをつく心のはずみとして感じられます。
【佳作】
仁田原ノ杜様
『目がさめた今日はデイの日頑張ろう!!』
橋口妙子様(九十三歲)
「目がさめた」は妙子さんの実感であるとともに、一日一日を重ねて生きられる感謝であるとも読むことができます。きっと毎日を決意新たに楽しまれているのですね。
【佳作】
シニアハウスはぴねす様
『便箋の数枚分の価値を読む奥州市の義弟よりの一葉』
小山登志子様(九十六歲)
遠く離れ住む義理の弟さんからの一枚の葉書。短い葉書の書面ながら便箋数枚分の手紙に書かれたような気持ちを読み取ることができたのです。お互いをいたわる思いのこもる内容だったのでしょう。事実だけを述べながら深い思いの感じられる作品です。
【佳作】
なでしこの杜様
『さみだれやいとしくおもうわが子らよ』
福元和子様
五月雨は梅雨のことですが、「さみだれ」という音にはみやびな感のます。降り続く雨に出かけることもなく、自然とお子さんたちのことを思い出されたのです。お子さんといっても既に六十代なのでしょうが、和子さんにとっては今でも幼い頃に抱いた愛しさには変わりはないのです。